allolix’s blog

自分が映画を観て抱いた感想や考察を細々と綴っていきます。

ハンス王子を全力で擁護したい。【アナと雪の女王】

はじめましての方ははじめまして。

 

アナと雪の女王で最も重要なキャラの一人であるハンス王子。彼はみんなから嫌われている。

だが、彼は本当に嫌な奴で嫌われて当然なのか。

今回はハンス王子を全力で擁護する方向で、アナと雪の女王を見ていきたい。

 

そもそも彼は何故嫌われているのか。

それは、純情なアナにまるで自分も運命の出会いだと思っていたかのように近づき、最終的にアレンデェールの王になる事を企んでいたと言ったからだろう。

 

だが、本当にハンスは運命だと思っていなかったのか。アナを愛した瞬間はなかったのか。いや、あの息ぴったりの歌、アナがエルサを追いかけようとした際に必死に止めようとした姿、彼は間違いなく初めはアナを愛していたのではないか。そうに違いない。

それを裏付けるのが、その政略でしかなかったという告白の直前だ。

彼はキスをしてもよかった、彼が本当に愛していないならノーリスクだ。そしてキスした後にすまないと言えばよかった。ただ彼はする直前でキスをやめて先程の告白をする。

 

何故か??

 

彼は考えたのではないだろうか、もしここで愛するアナとキスをして助ければ、エルサを殺す事ができずアレンデェールは滅びアナも含めた全員が死んでしまうと。それならば、心を鬼にして愛するアナを放置して、エルサを殺してしまおうと。

エルサを殺せば夏が戻るつまり、エルサの魔法の効力は失われるのである。

そうなれば、アナの凍った心も助かる可能性は大いにある。

 

だが、心優しきハンス王子にはエルサを殺した後、愛するアナを放置した罪、アナの大好きなエルサを殺した罪を背負って幸せに生きていく自分を許せなかった。

だから、アナを突き放したあの発言をするしかなかったのだ。。。

 

なんていい男なんだ。。。

 

これ以降は、作中のハンスのイケメンエピソードを綴ってゆこう。

 

•アレンデェールの人々のために自らが先人にたち、城の物資であるコートを配る。

•暴れ馬が来た際に身を挺して止めに行く。

•自ら冬を終わらすために危険な道を行く。

•アナを助けろ、女王を殺すなと命令。

•巨大な雪の化け物を単独で撃破する武力。

•エルサを化け物ではなく人として扱い、お願いをして、夏を戻してもらおうという真摯な姿勢。

•帰ってきてすぐにもう一度アナを探しに行こうとする

•一瞬でアレンデェールの未来をたくせるのは貴方だけだと臣下に言わせる求心力

 

こんな素晴らしい王子が今までにいただろうか。

ハンス王子は最高の王子だ。

秘められた天才の苦悩【ガリレオ】

2008年に公開された「探偵ガリレオ」シリーズの「容疑者xの献身」ですが、この作品はなんといっても天才数学者石神を演じる堤真一さんの怪演が話題でした。

 

しかし、逆に言えばこの作品はその衝撃のラストと堤さんの感想や考察がほとんどです。

今回はそことは少し違った所に焦点を当ててみたいと思います。それは、石神から見た湯川へのその深すぎる友情を見ていきたいと思います。

 

石神から湯川への感情読み取れるシーンがこちら、“二人で大荒れの雪山を登るシーン”です。

 

何故か解説をしていきましょう。

このシーンの少し前になりますが、石神は湯川に対してこのような言葉を言い放ちます。

「私に友人などいないよ。」

これは、真相にたどり着いてしまったが、友人の石神の気持ちを汲み話し合おうとしていた湯川にはかなりキツイ言葉だったでしょう笑

では、何故こんな言葉を放ったのか。

それは、石神が湯川が真相にたどり着いてしまった事で湯川を殺そうと考えていたからです。その負い目からの友人などいない発言だったんですね。

 

さて、少し話は変わりますがこの湯川を殺そうとしたシーンは殺そうとしていた派と殺そうとしていなかった派に分かられると思います。

殺そうとしていなかった派の意見としては主にここで殺人を犯すのは石神の完璧な計画を破綻させる。そんな事を石神がするはずがないというものです。

しかし、これに関しては殺したところで破綻しないというのが正解でしょう。

湯川をあの雪山で殺したとして(殺さなくても石神はあの中で湯川を置き去りにすれば十分)石神を犯人と断定するまでの期間は雪山という立地を考えれば、石神の計画が終了するのに十分すぎるものだからです。

以上、余談でした。

 

しかし、石神は直接手を下す事もなければ雪山で遭難しかかった湯川を助けに戻りすらします。

おそらく石神の思いは以下のように揺れていったのではないかと前後のシーンを見て解釈できます。

1.湯川を直接手にかけよう。

2.湯川を置き去りにして亡きものにしよう。

3.湯川を助けに戻ってしまう。

 

何故このように揺り動いてしまったのか。

これに答えを出すには、何故石神が湯川を殺そうと考えたのかを思い出す必要があります。

それは、湯川が自分の計画を暴き、自分の計画を破綻させてしまう存在となったからです。だから、計画の遂行のためにも湯川を殺すしかなかったのです。

しかし、それは果たせなかったのです。

石神にとって計画よりも湯川の命が大切だったからです。石神にとって湯川はどうしても守りたいあの二人の家族と同じくらいに大切に思う友人だったのではないでしょうか。

 

作り物だからこそ怖い【ミッドサマー】

2020年に公開されて話題を呼んだ本作で、ジャンルとしてはヒューマンホラーでしょうか。

絶対に恋人と見てはいけないや制作会社がカウンセリングを無料で行っていたなどとにかく普通じゃない!!

 

では、なにがそれほどまでに私達を恐怖させたのかを感想を交えて他の考察とは少し違った形で見ていきたいと思います。以降ネタバレを含みますので未視聴の方は気をつけてください。

 

 

 

今回、私が全体を通して感じたのは「全体的に作り物感が凄いな」でした。

もちろん、映画だから作り物なのは当たり前なのですが、逆に言えば映画の腕の見せ所といえるポイントの一つですよね。作り物をリアルに見せてその世界に没頭させる。

ミッドサマーは余りにも型通りで逆に作り物感が凄かったです。余りにも綺麗に作られた料理、飛び降りた死体は鮮明で肉という感じや極め付けの最後の熊の被り物などなどです。

 

しかし、これには初めのベレのセリフに答えがあります。

「僕たちは役者だ。この7日間は演じる。」

そう、全ては演技で映画で作り物なのです。

ここで、一つの提示があるわけです。

 

逆に私たちの現実は現実なのでしょうか。

みんなが嘘偽りなく絶対の自分を全力で表現しているのかです。

 

それは不可能ですし、みんなが少しずつプロトタイプの演技をしているのでしょう。

 

最後にこの映画は監督が失恋したことが原因だそうですよ。最も最高の自分を表現しているその関係がなくなった思いを発散する様にこの映画を作ったのだとしたら、何故か怖くて病み恋人と別れようという気になってしまうそんな映画ができたとしても不思議ではないですね。